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取材・文:大津沙莉
ECLECTIQUE 写真:twlst
BEATS ASIAN 写真:Kohki Kanai
2026年3月19日(木)、BLACK MUSICの聖地である渋谷HARLEMにてECLECTIQUE(通称:エクレ)とBEATS ASIANが開催された。ECLECTIQUEはHOKUTO、FUJI TRILLがレジデントを務める、今年10周年を迎えたモンスターイベント。

今回は<ECLECTIQUE>10周年を記念したスペシャル企画が同時開催され、ゲストDJにWaxFiendを迎えたほか、DJ HOKUTOとDJ Nikka Ninjaのダブルバースデーバッシュも行われた。国内外の豪華DJが集結した渋谷の夜をレポート。


HARLEMのフロアでは当日誕生日のNikka Ninjaがプレイを展開。WGFT(Gunna feat. Burna Boy)で幕を開け、緩やかで心地よい空間を作り上げていた。フロアでは音に身を委ねて踊る来場者の姿も見られ、落ち着きとグルーヴが共存する雰囲気が広がっていた。
オルタナティブR&Bを軸にしたプレイは、この夜ならではの空気感を演出。Push It Baby(Pretty Ricky)やHate That I Love You(Rihanna feat. Ne-Yo)といった、ややセクシーでクラブライクな楽曲が続き、フロアをじっくりと温めていく。


国際色豊かなオーディエンスとリンクするように、No Scrubs(TLC)からWhat It Is(Saxena)へと軽やかに繋ぎ、次のDJ KOJIROへとバトンを渡す流れも印象的だった。
続くプレイでは、All Night Long(Mary Jane Girls)で80年代のグルーヴを感じさせつつ、スクラッチを織り交ぜることで原曲に新たな表情を加えていく。さらにWild Thoughts(DJ Khaled feat. Rihanna & Bryson Tiller)からWhat’s My Name?(feat. Drake)へと展開し、フロアのムードをキープした。

Body Language(Kid Ink feat. Usher & Tinashe)からYou and Your Friends(Wiz Khalifa feat. Snoop Dogg & Ty Dolla $ign)への流れでは、思い思いのスタイルで楽しむオーディエンスの姿が印象的だった。音にじっくり耳を傾ける者、ダンスに没頭する者、仲間とともに笑顔で顔を見合わせる者など、多様な楽しみ方が共存していた。
中盤にはNasty(Tinashe)からPost To Be(Omarion feat. Chris Brown & Jhene Aiko)へと繋ぎ、フロアは再び熱を帯びていく。

その後、Jump(Tyla, Gunna & Skillibeng)をループで展開しながら、Rude Boy(Rihanna/Moshe Buskila Dancehall Remix)へと移行。トレンドを押さえつつもフロアの熱量を落とさない構成が際立った。さらにSwalla(Jason Derulo feat. Nicki Minaj & Ty Dolla $ign)ではラテンのニュアンスを感じさせるサウンドで空気を揺らし、夜が深まるにつれてフロアはさらに人で埋め尽くされていった。
終盤にはFinesse Remix(Bruno Mars feat. Cardi B)で大きな盛り上がりを生み出し、続くStronger(Kanye West)ではヒップホップの力強さを軸にブレイクを織り交ぜながら、着実に熱量を積み上げていった。
HOKUTOのセットは、Channels for Success(Jokers of the Scene)からスタート。ハウステイストを感じさせるサウンドでフロアをじわりと高揚させていく。続くAll Along(Rochelle Jordan)で心地よいグルーヴをキープしつつ、The Box(Roddy Ricch)で一気にムードを転換。

さらにCaroline(Aminé)では観客から歓声が上がり、My Way(Squadie)ではシンガロングが発生するなど、オーディエンスとの一体感を強めていった。
中盤にはDark Horse(Katy Perry feat. Juicy J/Johnson Somerset Radio Edit)でビートアップしながらループを巧みに組み合わせ、そこからFTCU(Nicki Minaj)へと展開。グルーヴを途切れさせることなくフロアをドライブさせる。
さらにI Love It Remix(DJ K-More)からHighlights(Kanye West)へと繋ぎ、ヒップホップのエネルギーを前面に押し出す構成に。終盤にはRake It Up(Yo Gotti feat. Nicki Minaj)を投下し、HIPHOPとR&Bが絶妙に混ざり合うプレイスタイルでフロアを大きく揺らした。

続いて、アムステルダムより来日したWaxFiendが登場。
プレイ中にはHOKUTO、Nikka Nijaのバースデーを祝うシーンも見られた。
セットはNUEVAYoL(Bad Bunny)からスタート。
続くWhich One(Drake & Central Cee)やTemperature(Sean Paul)では大合唱が巻き起こり、スクラッチを織り交ぜながら“Let’s go!”と観客を煽る場面も印象的だった。

そこからSplit en la Mitad(Ynfynyt Scroll)、FLACKITO JODYE(A$AP Rocky feat. Tokischa)へと展開し、カットインでBest Friend Remix(Young Leaf feat. Young Thug)がスタート。スムーズかつ大胆なミックスでフロアのテンションを維持する。
Timeless(DJ Stevie Beats)がかかると同時に、観客が前方へと駆け寄り、後方にはスペースが生まれるほどの熱狂ぶりに。さらにCloser(Ne-Yo)ではDJブースに上がり踊るオーディエンスの姿も見られ、フロアのボルテージは最高潮へと近づいていく。Sugar On My Tongue(Tyler The Creator)からBreak From Jersey(DJ Sliink)への流れでは複数のループを駆使し、グルーヴを多層的に構築していった。
さらにBrazilian Club Mix(Sarwar Hridoy)や、Smells Like Teen Spirit(Nirvana)のアレンジを交え、オルタナロックとHIPHOPを巧みに融合。ブレイクを活かした展開でフロアに新たな刺激を与えた。

後半はCa$ino(Baby Keem)、Antidote(Travis Scott)とHIPHOPを軸に展開し、fukumean(Gunna)で再びピークへ。ラストにはSlow Jamz(Twista, Kanye West & Jamie Foxx)がプレイされ、ジャンルを横断するWaxFiendならではのセットでフロアを締めくくった。

<BEATS ASIAN>はスモークが漂うフロアで、PISのプレイからスタート。
ZEZE(Kodak Black feat. Travis Scott & Offset)で観客を迎え入れると、重低音が響くRed Ruby Da Sleeze(Nicki Minaj)からスムーズにクラブチューンへと展開し、徐々にフロアの熱を引き上げていった。
USヒップホップにとどまらず、世界中の最新トレンドを取り入れたオールジャンルのダンスミュージックを発信する本イベントは、前身<Afro Asian>からアップデートされた最前線のサウンドと、トップダンサーによる圧巻のショーケースで注目を集めた。


時間の経過とともに会場には人が集まり、PISの周囲では手を挙げて楽しむオーディエンスの姿が広がる。Kick off Summer Vol.2(精气神制作)やMODERN JAM(Travis Scott feat. Teezo Touchdown)、さらにCHANEL(Tyla)など、多彩な楽曲が次々と投下された。
流行を抑えたセットプレイは、フロアのボルテージを一段階上に引き上げた。

続くIS IT(Tyla)からAlright(Kendrick Lamar)への流れで一体感はさらに強まり、Ibiza(DJ Karri feat. BL Zero/Remake)を経てクライマックスへ。終盤にはSOS(Little Simz)、そしてPAID(Kanye West & Ty Dolla $ign)が畳み掛けられ、フロアは盛り上がりを見せた。
やがて時刻は24時に迫り、PISのセットは自然な流れでK-POP(Travis Scott, Bad Bunny & The Weeknd)へと接続。そのまま次のDJ・NYINYIへとバトンが渡され、熱気を保ったまま次のセクションへと移行していった。

続いてTikTokフォロワー45万人超を誇るダンスチーム・THE SPC BOYS CLUBのリーダーNAGI率いる、11名の豪華ダンサーたちによるスペシャルショーケースが展開された。
重厚なビートとともに一列となり、フロアを煽りながら登場したダンサーたち。フィメールダンサーはセクシーかつ攻めた衣装に身を包み、その佇まいだけでこれから始まるショーへの期待値を一気に引き上げる。ショーケース開始の頃には、フロアの熱気はさらに高まっていた。

幕開けは、遊び心あふれる全員でのオープニングダンス。ブラックカルチャーをベースにしたストリートダンスで、多彩な音の取り方が観る者の身体を自然と揺らしていく。冒頭から一気に心を掴むと、その勢いのままユニットごとのリレーダンスへと突入した。
トップバッターはNAGI & Nathania。エスニックな空気感の中に、ハカを彷彿とさせる力強い振り付けも織り交ぜ、シンプルな楽曲に独創的な動きを重ねていく。飽きさせない構成で、ショーの幕開けにふさわしいインパクトを残した。
続くaami & nabukiは、ヒップを強調した大胆なパフォーマンスで会場の視線を一気にさらう。トゥワークを取り入れたパワフルなダンスに加え、インパクトのある股裂きも披露。Y2K感あふれる衣装と相まって、セクシーかつエネルギッシュな世界観でリレーにさらに勢いを加えた。


次に登場したのはDaichi & AIRA & MIZUHO。AIRAとMIZUHOによるパワフルなHIPHOPからスタートし、細かなビートまで拾い切る緻密な振りで観客を圧倒する。そこへDaichiが加わり、三人のシンクロした動きがフロアのボルテージを一段と引き上げた。緩急の効いた構成で、観る者を飽きさせる隙は一切ない。

続いて登場したLENA&Juna Aokiは、本場顔負けのグルーヴを武器にアフロ系のダンスを披露。先ほどまでとは異なる質のセクシーさで空気を一変させる。しなやかさと強さを兼ね備えた表現に加え、観客を巻き込む演出も印象的で、ショーに新たな色を加えた。
そしてラストを飾ったのはNADiA MARiE & ABY。アップテンポな楽曲に乗せた高速コレオで、一気に畳みかけるような展開を見せる。高いスキルが凝縮された圧巻のパフォーマンスで、怒涛のリレーダンスはクライマックスを迎えた。

フィナーレは、再び全ダンサーによるエンディングダンス。観客とともに手を掲げ、会場が一体となる中、スペシャルショーケースはあっという間に幕を閉じた。


その後、同フロアで行われたWes Leeのプレイでは、序盤からダンサーの存在がフロアの空気を一気に引き上げた。Jump(RDX)に合わせてステージ上でダンサーが踊り、視覚と音がシンクロすることで、観客の熱量は早くも高まっていく。
続くStalker Ha(Kingdom)では攻撃的なサウンドがフロアを支配し、勢いはさらに加速。WaWaWa(DJ Lag & Djknator feat. Thobeka)では重低音が響き渡る中、ダンサーがフリースタイルでパフォーマンスを披露し、フロアのボルテージをさらに押し上げた。


Ring Finger(Lady Lava)では巧みな煽りによって観客を巻き込み、会場全体に一体感が広がっていく。さらに、NAGIによるダンスが披露されると、その存在感あるムーブで視線を集め、空間の熱量を一段と引き上げた。


中盤にはBrazilian(Merom)がプレイされ、PISやKOJIROもDJブース周辺で音に身を委ねるなど、出演者同士がリンクする場面も印象的だった。そして終盤、MEGA ACABOU O AMOR(Mega Funk SC)ではフロア全体で乾杯が行われ、観客とDJが一体となる象徴的な瞬間に。
音楽とダンス、そして人が交差することで生まれる熱狂が、この一夜のハイライトを鮮やかに彩った。


ジャンルや国境を越えた多彩なサウンドとダンスが交差し、それぞれのフロアで異なる熱狂が生まれた。DJとダンサー、そしてオーディエンスが一体となり、HARLEMならではのカルチャーの厚みと今を強く体感させた。
BEATS ASIANとECLECTIQUEが描き出したこの夜は、シーンの現在地と可能性を鮮やかに示していた。








