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昨年の夏、各種SNSにて八月の夜がリバイバル大ヒットを起こした。そして、今年の八月には「八月の夜」リリース10周年を迎える。

@sumiredooon より引用
作詞を手掛ける「すぅ」こと吉田菫と、Silent Siren初期メンバーとして活動し、現在は作曲家として多くの楽曲を手がけるクボナオキ。
Silent Sirenにとって切っても切り離すことのできないこのタッグが提供したアイドルソングを、今回は4曲紹介する。
二人が組むことで「バンド曲が持つ音の厚み × アイドル的要素を含んだキラキラ感」が見事なまでに融合し、唯一無二の世界観を確立している。
キスミー・パティシエ / CANDY TUNE
2023年3月7日に7人組ガールズグループ CANDY TUNEよりリリースされた「キスミー・パティシエ」。
イントロから勢いよく始まるこの曲は、ボーカルの可愛らしい声に反して、重厚感のあるサウンドが印象的。
恋心をスイーツに重ねた歌詞の中でも「二人だけの甘い時間 隠し味まだ秘密なの?」というフレーズは、胸の奥にときめきを忍ばせるようなドキドキ感をくれる。
疾走感は爽快というよりも、抑えきれない恋心を抱えて走り出したくなる衝動に近い。
ラストの転調と後奏は、「あぁ、やっぱりすぅ×クボナオキらしいな」と思わされる仕掛け。
朝の通学・通勤時間に聴けば、一日の始まりが一気に色づくような一曲だ。
ちゅるサマ! / 26時のマスカレイド
2019年8月7日、アイドルグループ 26時のマスカレイドよりリリースされた「ちゅるサマ!」。同グループは2022年に惜しまれながら解散したものの、楽曲、そしてメンバーは今日に至るまで愛されている。
ゆったりと始まるイントロから、一気に盛り上がる展開に心をつかまれる一曲。
二度と戻ってこない夏の刹那を、生ぬるい空気の中でふっと頬を撫でる風のような爽やかさで包み込む。
明るい曲調の中に漂う儚さは、下降していくコード進行や、繊細な歌唱力が生み出すものだろう。
「君と恋をしたこの夏」という歌詞からは、まるで夏を振り返るような視線が感じられる。
サビ前の掛け声は、元気はつらつとした空気をまとい、聴く人の気持ちを一気に夏祭りのように盛り上げる。少女の等身大で初々しい夏の恋――
そんな世界観そのものが、すぅ×クボナオキらしさを体現している。
ラヴなのっ♡ / 超ときめき♡宣伝部
「超最強」で現在特大な旋風を巻き起こしている超ときめき♡宣伝部、通称「とき宣」。
続いては、そんなとき宣から2021年8月11日にリリースされた「ラヴなのっ♡」についてひも解いていく。
シンセの浮遊感と、どっしりと支えるドラム、そしてクボナオキらしい象徴的な旋律が、イントロから一気に耳を奪う。
テンポは速めだが、キックの4つ打ちが全体に安定感を与え、ノリやすさを高めている。
「止まらないLIKEよりLOVE 気づいてるの? 一滴も残さずに味わってね」という歌詞は、まさにアイドルだからこそ輝く直球の甘さ。
元気をくれる歌詞と、ダンスナンバーっぽいアレンジ、とき宣のはつらつとしたアイドル性が見事にマッチしている。
とき宣の愛嬌やキャラクター性を存分に引き出しつつ、疾走感・落ちサビ・転調といったすぅ×クボナオキらしい構成で、バンドでは味わえない“きゅるきゅる全開”の魅力を完成させた。
StarSeed ~カクセイ~ / LOONA
最後は韓国のガールズグループに提供された楽曲について紹介する。
日本語名では「今月の少女」と呼ばれている、LOONA。同グループは事実上解散となってしまっているものの、ユニットやソロでそれぞれ活動の幅を広げている。
楽曲の魅力は何といっても、繰り返しているように重厚感のあるドラムと浮遊感のあるシンセ。
この組み合わせは、すぅ×クボナオキ楽曲の共通項とも言えるかもしれない。どっしりとしたリズム感に、人数が多いグループだからこそ生まれる音の厚みが重なり、心地よいグルーヴを生み出す。
疾走感はきらきらとときめきに満ち、まるで洗顔料のCMのような爽やかさ。
これまでの「かわいい・愛嬌」路線に加え、K-POP独特の歌唱法や英語詞の多さが、より洗練された雰囲気を作っている。
それでも、すぅらしい歌詞が持つキャッチーさはしっかりと息づいている。
ラップパートは楽曲のアクセントとして効き、自己肯定感を高める歌詞と、落ちサビからラスサビへの高揚感が、最後まで胸を躍らせる一曲。
今回は、すぅの作詞とクボナオキの作曲によって作成されたアイドルソング4曲をまとめた。
高揚感と儚さを一度に味わうことのできる、夏にぴったりなすぅ×クボナオキ楽曲。今年の夏も残りわずかとなってきたが、この夏はこの4曲を通して甘くて切ない夏を過ごしてみてはいかがだろうか。