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文:Misaki Hoshino
写真:KK (Kohki Kanai)
カルト的人気を誇るパーティー”BLOCK”が2024年8月11日(日)にclubasiaにて開催され、9周年を迎えた。
BLOCKは、”ワンさん”ことNevalOne氏(@neveralone_viii)がオーガナイザーを務める、2015年に池袋bedにて、日本語ラップシーンの主流に対するカウンター的なイベントとしてスタートしたパーティーで、昨今の大規模フェスブームやラップバブルとは一線を画した独自のカルチャーを形成している。
池袋bed、Glad、と箱の閉店により拠点を変えながらも、現在のclubasiaでコロナ禍をも乗り越え、clubasiaの店長から「clubasiaを代表する最強パーティー」と言わしめている。
そんな名物パーティー、”BLOCK”の様子をレポート!
今後はHELLIXスタッフと映像チームの協力のもと、様々なアーティストのMVやインタビューなどを展開予定とのこと。第一弾としてBLOCKのダイジェスト映像が公開された。
今後のこのメディアの展開にも期待だ。
🔗https://x.com/_H_E_L_L_I_X_
🔗https://www.youtube.com/@H_E_L_L_I_X
OPEN予定の23時前には、既に行列が出来ており、このパーティーへの期待値の高さが伺える。
9周年を記念して作られたDEROLIN (@xderorinx)デザインの「BLOCK 9th Anniversary Limited T-Shirts」を着用する人の姿も多く見られた。
オープンと同時にSECOND FLOORではmisa nakamuraが、LOUNGE FLOORでは$hirutaroがDJをスタート。
メインフロアが開くと瞬く間に、フロアにはオーディエンスが溢れ、DJ KOTAROが季節感を感じさせるアフロビーツなども取り入れた選曲で、夏のダンスフロアをセクシーに盛り上げていた。
MARZYのDJタイムでは、自身も所属するミュージックコレクティブYENTOWNの楽曲や、リリースを控えているYENTOWNのメンバーkZmの新曲なども披露しつつ、バイブス全開のDJプレイでオーディエンスを魅了。
今回も引き続きVJを担当するREAKS(@reaks_01) (@reaks_takatoshi)による、全画面をMARZYの顔面アップでジャックする遊び心も盛り上がりを加速させていた。
メインフロアの次のアクトは、ralphの熱い推薦により出演が電撃決定したというニューカマー14fourteen。
メンバーのS.J.soldier、G-BALE、G Noise、Phantom、double o shit、5名全員が覆面で登場し、ライブDJはATSUKIが務める。
尖ったワードで、彼ら自身のストリートライフをスキルフルにラップし、「Assassin」や新曲などを披露。
14fourteenが肩を組むようにフロアに呼びかけると、オーディエンスが肩を組み揺れるピースな一幕も。
実力、知名度、話題性など含めて、インパクトのある出演者揃いのBLOCKで、迫力満点なライブパフォーマンスを見せていた。
「今日呼んでくださったワンさん、ralph君、そしてATSUKIさん、ありがとうございます!」と語り、ステージを後にした。
次の出演者は、和歌山を拠点に活動するラッパーであり、共にラップスタア誕生で名を上げたTOFU & MIKADOの二人。
MIKADO「言った!!」は大きな話題を呼び、全12曲を収録したTOFU & MIKADOのジョイントアルバム『New Vintage』を今年5月にリリースし、目下ツアー中の彼らが登場するとあって、フロアの期待が高まっているのを感じる。
TOFU & MIKADO「Pay Back」が流れると、先にステージに登場したのはTOFU。
自身のバースが始まるとMIKADOが走ってステージに登場し、フロアの熱気がさらなる高まりを見せる。
MIKADOが「星を作ってもらっていいですか」と語りかけ、照明が落ちたフロアにスマートフォンのライトが輝く幻想的な景色の中でTOFU & MIKADO「Amiri Star」を披露。
最後は「言った!!」でパフォーマンスを締めた。
続くアーティストは、BLOCK常連出演者の釈迦坊主が登場。
「MOO MOO」や「I’MA 10 KNOW HEIKER」、「Thanatos」を歌い上げる。
そのままステージに倒れ込み「寝ながらになっちゃってごめんね、先週くらいにメニエールって病気になっちゃって、耳も聞こえないし、まっすぐ歩けないし、しかもiphoneも無くしちゃったんよ〜」と話し出す釈迦坊主に少しどよめくフロア。
「iphoneを無くして気づいたこと、一個気づいたことがある。感謝って大事。感謝しようぜ。感謝な曲歌おうぜ」と言い「Not Human?」を披露した。
次に出演するのは、asiaをホームと呼び、BLOCK同様に、主催イベントKOUBOUをコロナ禍に敢行したことで、賛否両論を巻き起こして以来、合流も必然と見られていたが、今回が待望の初参戦となったPaleduskだ。
バンドセットの準備中から、既にフロアのボルテージの高まりを感じる。
登場曲であるエミネム「Lose Yourself」が流れた瞬間、オーディエンスが声を上げ、溢れんばかりのエネルギーと熱気がパンパンに人が入ったasiaのメインフロアを満たす。
ライブが始まると激しいモッシュに次ぐモッシュ、リフト、ダイブ、まさにカオスとしか形容しがたい激しく荒々しい光景が繰り広げられる。
vo.KAITOは「今日は、俺らみたいなバンドのファンとHIP HOPのファンがいると思うんだけど、お互いいいところを見せつけ合ってください」と語り、重なる部分もありつつ異なるシーンの音楽ファンの邂逅により生まれたフロアの一体感は非常に印象的であった。
「PALEHELL」では合唱も起こり、激しさだけではないバンドの魅力を見せつけ、強烈な余韻を残してステージを後にした。
DJとして大いにフロアを盛り上げたLeisuはアグレッシブにモッシュへも参加していた。
続くメインフロアのアクトを務めるのは、FUJI TRILL。
Lil Ash 懺悔 & FUJI TRILL 「Yay! (FUJI TRILL Remix)」から歓声とともにスタートし、モッシュが起こる。
7月22日にリリースされ、話題となったOVER KILLの1stアルバム『THE PURGE』からもリード曲「THE PURGE (feat. Jinmenusagi)」なども披露し、OVERKILL「BLADE(feat.JUBEE&CYBER RUI)」からThe Prodigy「Voodoo People」への繋ぎなども最高にクールで、大いにフロアが沸く。
FUJI TRILLの真骨頂ともいえるジャンルを横断する攻撃的かつハードな重低音のプレイでオーディエンスを揺らし、REAKSのVJもまたFUJI TRILLの世界観をより際立たせ没入感を生んでいた。
Jimmy RottenやNecessary Evilが登場しショットライブを行う一幕も。
OVER KILL & ANUBIS「666 (Remix) [feat. JIN DOGG] 」で締めた。
再びバンドセットにて、TYOSiNが登場。
ギター・DJのG4CH4、ギターViryKnot、ベースRENA、ドラムDAIKI、という豪華なメンバーと共にライブを行った。
時に激しいモッシュを起こしながら、「笑殺」や新曲を披露。
「9周年おめでとうございます、BLOCK。9周年だけど今が1番楽しくて、生きてて良かったと思っています。10周年も宜しくお願いします。
もう少しでアルバムが完成するので頑張ります。やっぱりライブ、めちゃくちゃ楽しい!」と語り、ラストは「彗星」を披露し、ステージを後にした。
次は、Ralphが「Zone (GODZILLA Remix)」が流れると迫力満点にステージに登場した。
「Back Seat」や「ALI BABA REMIX (feat. MFS & Ralph)」などバイラルヒット曲を立て続けに披露し、「Get Back」から「Get Back (feat. JUMADIBA & Watson) [Double Clapperz Remix]」に切り替えたり、kZm「DOSHABURI (feat. JUMADIBA)」などを歌いあげ、フロアを大いに沸かせる。
次の出演者はJin Dogg。
DJ KOTAROがマイクでオーディエンスを煽り、更にオーディエンスのボルテージが高まっていく。
ライブDJを務めるのはFUJI TRILL。
Jin Doggが登場し、OVERKILL「SCRAMBLE (feat. Kamiyada+, Jin Dogg, rirugiliyangugili & 042ghxst)」、「OMG」、「On My Mama (feat. TAKABO)」を立て続けに披露。
Jin Doggが「元気か?BLOCKのみんな。最近めっちゃ忙しくて、BLOCK出れてなかった。やっと仕事落ち着いたからBLOCK戻ってきたよ。ただいま。さすがに今日こそasiaぶっ壊しましょう。」と語りかけると、DJ KOTAROの「asia真ん中開けろ!」という合図で、フロアの真ん中に大きなサークルピットが作られる。
さらにJin Doggが「ジェイクが好きなやつはどんだけいますか。マジでガチ暴れして欲しい。Paleduskのライブとか見たで。俺の時間はもっと暴れてくれ」と言うと、「Tom Cruise」がかけられ激しいモッシュが繰り広げられる。
「俺も本気で暴れたいからネックレス外すわ」と言うと大きなTEAM TOMODACHIのネックレスを外しながら、フロアに向かって「もっと暴れる?モッシュ馬鹿集まってるやろ?」と語りかける。
Jin Dogg × OVER KILL「ベルセルク」が掛かり、さらに激しさが増したモッシュが起こる。
OVER KILL & Yokai Jaki「ボケ死ね feat. Jin Dogg」が流れると怒号に近い歓声が上がり、
Jin Doggが「本当にデカいウォールオブデスを見せろ」と煽り、自身もステージダイブを決める。
直近のJin Doggの活躍というのは、凄まじいものがあるだろう。
自身のワンマンLive、2枚のアルバムのリリース、国内外で話題となり社会現象ともなった「チーム友達」、HIPHOPジャンル以外の大型フェスへの出演、アニメのタイアップ等、挙げれば枚挙に暇がないが、それでもこんな距離感でライブをしてしまうところにJin Doggのアーティストとしての魅力や、懐の深さを非常に感じた。
さらにZERRYが登場し、OVER KILL「PSYCHO feat. KS ZERRY」をJin Doggと共に披露する。
「まだ終わりじゃねぇから、一緒に歌おうぜ」と「My way」やPETZ「Blue feat. Jin Dogg」、「雨の日の道玄坂」などを情緒たっぷりに歌い上げた。
Jin Dogg「このBLOCKってイベントは、渋谷来る前に、池袋で出させてもらってて。東京で活動するにあたって、スタート地点と言われているがこのイベントです。もう9年も経つんですね。ワンさんにこのBLOCKのステージでこれをつけてるのを見てもらいたかったです。」と首にかけたTEAM TOMODACHIのネックレスを手に取り見せる仕草をする。
「BLOCKに出てた全員が今では有名になったよ、俺の契り持ってきて」と言うと、控室からJin Doggのヘネシーが出てくる。
「これみんなで飲もうか、9周年おめでとうございます」と瓶から直接飲み、アーティストや、BLOCKのオーガナイザーを務めるワンさんにも渡される。
感謝を語りながら「10年前のジェイクに見せてあげたいわ、でもまだまだ頑張ります!」と宣言すると、「街風」が流れ、再びモッシュやお決まりの合唱が起こる。
Jin Doggが「今日来たみんなは俺の友達ってことでいいよな」と言うと「チーム友達」が流れ、階段や控え室にいた関係者も全員ステージに呼ばれ、アーティストや関係者に囲まれたステージで「ありがとう!朝まで楽しんでいけよ!BLOCK9周年、ワンさんおめでとうございます。
そしていつもサポートしてくれてるasia店長スーさん、asiaのスタッフの皆さん、ありがとうございます。最後に、今日来てくれたお前たち、1番感謝してます、ありがとう!」と語り、ステージを締めた。
メインステージのトリを飾るのは、NO FLOWER。
音楽クルーkiLLaのDJ/ビートメイカーでもあり、asiaで毎週水曜日に開催されているイベント、通称「エクソ」こと「EXODUS」でもレギュラーメンバーとしてハードな音を鳴らし、独特な世界観を表現している。
BLOCKの魅力は、メインフロアのライブだけではなく、ラウンジフロアや2Fのフロアでも、
常に最高なDJ陣のプレイが楽しめることだ。
中にはプロデューサーとしての顔を持つもの、アーティストとしての顔を持つものなども存在し、
一緒にこのパーティーを楽しみながら音を鳴らしてくれる。
メインフロアが終了しても、BLOCKのパーティーは続く。
ここからが「本番」とも言えるような時間が流れ、今までも様々なストーリーが生まれてきた。
今回は、オーディエンスもアーティストもラウンジフロアに集まって、ZERRYが再びマイクを持ったり、遊びに来たJUBEEがOVER KILL「BLADE feat. JUBEE & CYBER RUI」を歌ったり、フロアには他にも山田ギャル神宮やizolmaなどアーティストの姿も沢山見られ、それぞれが思い思いに名物パーティーの9周年を盛大に祝していた。
DJ KOTAROによる長時間によるDJプレイは圧巻の一言で、1年半寝かしていたというKid Nathan「意識ハ、冴エテ (feat. Jinmenusagi)」やLIL SOUTH MOOMIN「DECOPON」などを流していたのも印象的な瞬間を生んでいた。
KiDNATHAN「deathdreaming (feat. TrillLen)」がかけられ、名物パーティーの幕が閉じた。
9年続くイベントが、続けることが出来るイベントが、果たしてどれだけあるだろうか。
BLOCKが唯一無二である理由は、独自のカルチャーとストーリーがあること、アーティストとオーディエンスが双方向から参加しているパーティーであるということ、そしてBLOCK自体がメディアであるということではないだろうか。
BLOCK自体がメディアであると書いた意図は、独自のストーリー性もさることながら、興味を引くラインナップでヘッズを唸らせ、新たな出会いや衝撃を与えてくれる、オーガナイザーのアーティストへの審美眼への絶大な信頼感と共感がBLOCKにはあると思うからだ。
2024.8.11 (SUN) START:23:00
場所:clubasia @clubasia
■𝐌𝐀𝐈𝐍 𝐅𝐋𝐎𝐎𝐑
TYOSiN @tyosin13
Jin Dogg @sadmadjake
Paledusk @paledusk_jpn
釈迦坊主 @shakaboo2
ralph @ralph_ganesh
TOFU & MIKADO @youngtofuboy @neo_mikado
14fourteen @14teen045
FUJI TRILL @fuji_trill
NO FLOWER @xnoflowerx
MARZY @marzy_prpr
DJ KOTARO @dj_kotaro_
■𝟐𝐅 𝐅𝐋𝐎𝐎𝐑
FULLMATIC XX @fullmatic_xx
ATSUKI @atsuki1224
G4CH4 @g4ch4_beats
KTHICK @kthick.000
NACKii @djnackii
KUROMAKU @9609_kuromaku
AKIRA ORPHEUS @akira_orpheus
misa nakamura @m1sanakamura
■𝟏𝐅 𝐅𝐋𝐎𝐎𝐑
YU-RI @dj_yu_ri
ChibiChael @chibichael
y.k.c. @iamrealykc
HIGH-TONE @enot_hgih_wen
ATAMI @djatam1
Leisu @leisurely_w0lf
ARA @djaraara
$hirutaro @shirutaro_
■𝐕𝐉
REAKS @reaks_01 @reaks_takatoshi
■𝐂𝐀𝐌𝐄𝐑𝐀
KK @kohkikanai
JET @jet.s_jet_jet.s
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